辻 明日真/ コラム, 小説, 連載/ 0 comments

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《ホーランドロップとトンビ》

辻 明日真

 

 

第十三話『松陰本舗にて学ぶ』

12月30日(水曜日)

年末ミーティングを明日に控え、鳶雄と政孝は久しぶりに早稲田で会っていた。新しく建て替えた3号館には数人でミーティングするのに適した場所がいくつもあった。9階のフリースペースで二人の談話は弾み、時を忘れ話すのに夢中になっていた。

「え、サムライ?!しかも東大って……」

「まさに松下村塾だったよ。場所も松陰にまつわる資料館で」

「あ!ネットで調べたら出てきた!松陰本舗!!ここ?」

「そこだね!会の様子はこんな感じ」

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「この写真に写ってるサムライがRyo君」

「お~!!ガチでサムライだ」

「しかも資料館自体も魅力的だった!ここで学んだ後に松陰神社の見学ツアー」

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「中で焼き芋も食べれたし(笑)」

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「うわ~、いいな!!めっちゃ行きたくなってきた!!」

「毎週土曜にやってるみたいだから今度、一緒に行く?」

「行きたいっっ!!!誠くん、どこでこういうの見つけてくるの?」

「たまたま、Ryo君がfacebookに記事を投稿しているのを見つけてね」

「平素のアンテナか……見習うよ」

「Ryo君も魅力的な人だったよ。松下村塾や吉田松陰の話を歴史に流れに合わせて話してくれたんだけどね。どうして松下村塾があの短期間で時代の傑物たちを輩出できたのか、その訳がわかったよ」

「僕たちも、これからそういう場所を作っていかないとだね!!」

「大学を卒業するまで、あと二年!必ずこの二年間で形にしよう」

二人の心はメラメラと燃えていた。その後も鳶雄は松下村塾の現代版について語り、政孝はこの一か月半、研究してきた学生団体の現状について熱弁をふるった。

「今、特に関東圏で学生団体の勢力が低下しているみたいなんだ」

その言葉が鳶雄の耳に強く残った。そして、次の日の年末ミーティング、同じく早稲田の3号館にて、4人が集結するはずであった。しかし、海人の姿だけが、そこになかった。

 

 

 

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松陰神社

吉田松陰先生は安政6年10月27日、安政の大獄に連座し江戸伝馬町の獄中にて30歳の若さで刑死されました。その4年後の文久3年、松陰先生の門下生であった高杉晋作、伊藤博文、等によってこの世田谷若林の地に改葬されました。神社所在地一帯は江戸時代から長州毛利藩藩主毛利大膳大夫の別邸のあったところで大夫山と呼ばれていたそうです。

明治15年11月21日松陰先生門下の人々が相謀り、墓畔に社を築いて先生の御霊を祀り忠魂の鎮座するところとなりました。今日の社殿は昭和2年から3年にかけて造営されたものです。近年は学問の神として崇敬を集め参拝者は全国各地に及んでいます。

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辻 明日真

辻 明日真

田舎に泊まろう!をコンセプトに自転車旅で10代はひたすらバガボンド。大学での豊富な失敗体験を生かして学生アドバイザーを行う傍らブログや小説に熱を入れる。アウトドアに見せかけて実は囲碁、お茶、コタツを三種の神器としているかなりのインドアマインドの持ち主。

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