辻 明日真/ コラム, 小説/ 0 comments

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《ホーランドロップとトンビ》

辻 明日真

 

 

第二十一話『二年後の自分に向けて~WATASHIATE~』

朝日が昇った。いや、生まれた、と表現したほうがしっくりくる。雲から生まれた朝日に三人は魅了された。本物の感動は人から声を奪う。暫くの間、三人の目はそこに釘付けになった。

「ここで手紙を書かない?」

以前の誠は唐突な発言で周囲を驚かすキャラではなかった。むしろそれは鳶雄の役割。

「セイ、手紙とペン持ってきてたの?!」

「ない!」

気持ちがいいほどの即答に政孝と鳶雄は混乱した。

「じゃっ、どうやって書くの??それに、誰に?!」

鳶雄の質問攻めに誠は笑顔で答える。

「もちろん自分に!!これぇを使って!」

誠がそう言って見せたのはスマホの画面。少しどや顔。そこに映っていたのは、『二年後の自分に向けて~WATASHIATE~』というサイトだった。サイト中央には白い手紙が青空を飛んでいる写真。その下にはサイトの説明文が載っていた。

 

これは今のあなたから、二年後のあなたに向けた手紙を書くことができるサイトです。

今オンラインで書かれた手紙が二年後、あなたが指定した場所にリアルな手紙として届きます。

詳しくは下の手順に従って必須項目に回答お願い致します。

……

 

「すげ~~!!こんなサイトあったのか!」

「ちょうど昨日ネットで見つけたんだ。面白そうだから使ってみよっ!」

「いいね!」

「誠くん、どや顔w」

「これ作ったの大学生みたいだね!でも見つけたのは僕!ふふ……」

この時、書いた三通の手紙の内、一通は書いた本人に届くことはなかった。しかし、その届かなかった一通が望外の人物の元に届き波乱を巻き起こすことになるのだが、それはもう少し先の話である。さて、二年後はいかに。。。

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第一章完

 

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辻 明日真

辻 明日真

田舎に泊まろう!をコンセプトに自転車旅で10代はひたすらバガボンド。大学での豊富な失敗体験を生かして学生アドバイザーを行う傍らブログや小説に熱を入れる。アウトドアに見せかけて実は囲碁、お茶、コタツを三種の神器としているかなりのインドアマインドの持ち主。

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